京人形の髪を結う「髪付師」。
京人形の製作工程は「頭師」、「手足師」、「小道具師」、「着付師」など細かく分業化されているのが特徴です。「髪付師」もまた、京人形製作工程の分業化された専門職種のひとつです。
古より受け継がれた「髪付師」の伝統技術は、雛人形や五月人形、市松人形、御所人形、風俗人形といった京人形の結髪として、ご覧いただくことができます。
その昔、京都に何軒もあった人形の髪付師の家は今ではごくわずかとなりました。
それに伴い、髪付師の手わざによる結髪を見る機会も稀になってきていると感じます。
ここでは、丹念な時代考証を基に製作された、髪付ギャラリーをご覧いただけます。
至純の黒髪はまさに京人形の象徴です。
「髪付師」の仕事は人間の髪を扱うのと同様に繊細で、その工程は多岐にわたり複雑です。
京雛の艶やかな髪は、特別に染めた絹糸からつくられます。熱したコテで髪を梳かしながら髪型を作り、鬢(びん)掛け、乾燥、髪結い、飾り付けする様は、人が髪を結うのと変わりありません。
髪付師の仕事はさながら、“人形の美容師さん”といったところでしょうか。
1964年生まれ。1991年27歳から先代・先々代に師事し京人形髪付師「井上」の三代目となる。以来、約30年にわたり髪付師として、数少ない髪付けの家を守っている。
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